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日本獣医内科学アカデミー第10回記念学術大会

2014年2月日本獣医内科学アカデミー第10回記念学術大会@パシフィコ横浜
演題名「猫のインスリン抵抗性糖尿病の戦略的早期発見へのアプローチ」
発表者 松波登記臣(松波動物病院メディカルセンター)

学会発表
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日本獣医内科学アカデミーの記念すべき10回目の記念学術大会に参加させて頂きました。
10年間の獣医内科学を振り返る大会でもあったので、演題には錚々たる面々が発表されていました。私は2年連続の発表になりましたが、今回も大風呂敷引かずに着実に臨床研究の成果を発表してまいりました。
演題内容は、「猫のインスリン抵抗性糖尿病の戦略的早期発見へのアプローチ」。
本演題の座長は、東京大学の松木先生が務めてくださいました。厚く御礼申し上げます。

本演題内容に触れておきます。
近年、猫の糖尿病の基礎疾患(基礎疾患とは元々罹患している病気のこと)が注目されており、その基礎疾患の発見が糖尿病治療に大きく関与しているということです。
どのように関与しているのかというと、大きく分けて2つ。1つは治療方針、もう1つは予防です。
治療方針というのも猫の糖尿病治療の多くにインスリン治療は欠かすことは出来ません。ですが、インスリン治療を行なっているだけでは、血糖値のコントロールは決して上手くいくことはありません。その理由に、基礎疾患の存在です。
基礎疾患を明確にし、そこへの治療フォローをしていかなければインスリン治療を行っていても、血糖値のコントロールはあり得ないのです。
そして、予防について。
猫の糖尿病の基礎疾患として、様々な疾患が挙げられますが、早期にその基礎疾患を発見することができ、そして治療に取りかかれば糖尿病になることを未然に防ぐことができます。
一度糖尿病に罹患してしまうと、インスリン治療は勿論、食事療法なども併せて半永久的に治療は続きます。半永久的に治療が続くということは、猫へのストレスもそうですが、時間的にも経済的にも飼い主さまへの影響も計り知れません。
糖尿病の基礎疾患を発見することは、猫ちゃんにも飼い主さまにも、そして獣医師である我々にとって、非常に喜ばしいことにつながると思っています。

今回の発表内容は、日本では初めて「猫の糖尿病の基礎疾患を動物病院で調べた結果」の発表となりました(一般的にはこのような調査を疫学調査といいます)。
これからも猫の糖尿病の基礎疾患についての疫学調査、そして基礎疾患への治療に努めていきたいと思います。

松波動物病院メディカルセンター 獣医師 松波登記臣