院長海外実習セミナーレポート

海外実習セミナーレポート

はじめに

今回はラスベガスで開催されたウエスタン獣医学カンファレンス実習セミナーをレポートいたします。

場所

ラスベガス オクエンドセンター

  ラスベガス オクエンドセンター
     

このオクエンドセンターは会館、施設、手術器械、手術器具、その他の備品等が充実をしており、また訓練されたスタッフが私達の実習をパーフェクトにサポートしておりました。

(右写真:オクエンドセンター実習室)

  オクエンドセンター実習室

日程

2011年7月12日より14日まで(3日間)  午前8時より午後6時まで

セミナー内容

一日目よりハプニングがあり、デルタ航空の遅延により20名ほどの獣医師の先生方が、開催時間午前8時に間に合わなくなり、他の経路でラスベガスに入っていた10名ほどの先生方のみで講義と実習が始まりました。

(右写真:実習風景)

  実習風景
     

講師はDr.Don Waldron
   Dr.Dan Smeak
   Dr.Don Hulse
 助手Dr.Clistina N Allala
 助手Dr.Yuki Okada

(右写真:ドクタースミーク)

  ドクタースミーク

胆嚢、肝臓の解剖

胆嚢粘液嚢腫、胆嚢切除術、肝葉切除術、脾臓摘出術

具体的な実習として、胆嚢切除の場合は十二指腸を切開し十二指腸の乳頭より胆管にカテーテルを挿入し洗浄後胆嚢切除を行う。

脾臓腫瘍摘出の動静脈残存の手技(LDSステープル&リガチャーによる血行遮断)、また胃捻転の場合の脾臓摘出の順序立て。

摘出が難しい右肝葉の摘出手技(TAステープル使用による)。ステープルがあれば開腹手術に慣れていれば十二分に実施できる手術。

小腸の吻合、胃固定術の簡単な手技

胃固定術が必要な犬種、これは特に胃拡張胃捻転により緊急な手術ではなく、その様な疾患にならないための予防の手技であります。

デンマーク国内にいるグレートデン種の40%が胃捻転の発症の可能性があるそうです。

その為に所要時間10分間の胃固定術手技。

小腸の吻合手術これもGIAステープルを使用して容易に縫合。

喉頭麻痺&タイバックテクニックの講義と実習。

喉頭麻痺により呼吸困難の犬猫に対して輪状被裂の喉頭形成術(タイバック)の手技。

今までより固定の割合を少なくし両側ではなく片側の70%にとどめる。

外耳道全切除術&外側鼓室胞骨切り術

細菌性等の重度外耳炎により鼓室まで切除する術式。
今までの術式にプラスの根治手術。

(右写真:実習風景)

実習風景

頸部椎間板疾患の腹側スロット術

椎骨内の脈管の取扱いに注意をし、出血のない術式。勿論パワードリル使用。

膝蓋骨脱臼の修復&トウ骨尺骨の骨折修復。

膝蓋骨の脱臼は従来の手術法で余り変わりはありませんでした。

骨折のプレート法は今が旬のロッキングコンプレッションプレート手術法でこれからの主流になるであろう。この方法はプレートと骨折をした骨を密着させないで骨膜の損傷を出来るだけ少なくして骨融合を促進させる手術法。

関節固定術の原理

前腕骨−手根骨の関節固定術

前腕骨のとう骨と手根骨をブッシュ付きのプレートを使用して関節を固定。術式は従来通りだが、このLCPブッシュ付きのプレート使用で今までより早く,また強固に固定が出来る。

門脈大静脈短絡の解剖とアミロイデ・セロハンの応用について

シャントの色々な経路の確認、セロハンの作製と巻き方と締める度合いの説明。

(右写真:小生と通訳の岡田獣医師)

実習風景

おわりに

3日間の実習は長時間に関わらず、全員が熱心にレクチャーを受け、素晴らしい知識を日本に持ち帰って来たでありましょう。また、40年以上の臨床経験の小生と獣医師ライセンス取得3年生と同じ土俵にあがり切磋琢磨出来た事は、これからの残り少ない臨床獣医師生活に貴重な一ページを加えました。

  武井獣医師、関獣医師、小宮山獣医師、小生   クリスティーナ獣医師、関獣医師、小生  
 
関獣医師、小生、武井獣医師、小宮山獣医師
 
関獣医師、小生、クリスティーナ獣医師
 

最後に、この様に米国において、長期間において勉強の機会を与えてくれ、また留守をあずかる副院長をはじめ当院の全スタッフに厚く感謝申し上げます。

P.S番外編

このレクチャーの前に子供の頃からの夢でありましたモニュメントバレー(アリゾナ州)を観光に行きました。

モニュメントバレー  
モニュメントバレー
サンライズ
モニュメントバレー   モニュメントバレー   モニュメントバレー サンライズ

アンテロープ
アンテロープ   アンテロープ   アンテロープ

セドナ  
セドナ   セドナ    

ナバホ族  
ナバホ族   ナバホ族    

感動の連続。