名古屋の動物病院 腎臓泌尿器科

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腎泌尿器科について

当院では、急性腎障害と慢性腎臓病、そして膀胱炎や尿石症、尿路疾患、膀胱腫瘍などの診療を行っております(以下対象疾患参照)。犬・猫の腎臓病や尿路疾患の診断や治療を専門に研鑽を積んだ獣医師が診断機器を駆使し、また日本を代表する腎臓病の専門医とも連携をとって最新の医療情報を従来の知識と技術を取り入れながら腎臓病の診療を行っております。

腎泌尿器科が担当する主な病気について

  • ①急性腎障害/慢性腎臓病
  • ②糸球体腎炎
  • ③腎盂腎炎
  • ④水腎症
  • ⑤多発性腎嚢胞/腎嚢胞/腎周囲偽嚢胞
  • ⑥尿石症(腎結石/尿管結石/膀胱結石/尿道結石)
  • ⑦下部尿路感染症(膀胱炎)
  • ⑧猫の特発性下部尿路疾患
  • ⑨尿道閉塞(尿閉)
  • ⑩腎臓の腫瘍
  • ⑪膀胱/尿道腫瘍(移行上皮癌など)

*以下に代表的な腎泌尿器疾患を挙げております。ご参照下さい。


  • ①急性腎障害/慢性腎臓病
  • 急性腎障害は犬や猫に発生し、数時間~数日という短期間のうちに急激に腎臓の濾過機能が低下する病気で、早く治療を行わないと命を失うことも少なくなりません。また慢性腎臓病(慢性腎不全)は、腎臓の組織が数週間~数年をかけて障害を受け、不可逆性の機能不全に陥る状態です。
  • 急性腎障害の原因として、腎前性、腎性、腎後性の3つに分けられます(以下表)。
  • 【急性腎障害の原因】
    1. 腎前性:腎臓に流れ込む血液量の減少によるもの
      • 例) 脱水、出血、ショック、心臓病など
    2. 腎性:腎臓自体の障害によるもの
      • 例) ショック、高体温、脱水や出血などによる腎臓の虚血によるもの、中毒物質など腎毒性物質によるもの、糸球体腎炎など免疫介在性疾患によるもの、レプトスピラ症や腎盂腎炎など感染症によるもの、ブドウなどの誤食によるものなど
    3. 腎後性:尿管、膀胱、尿道のいずれかの障害によって尿が体の外へ排出されないこによるもの(尿路閉塞)
      • 例) 猫で多い尿結石による閉塞(猫下部尿路疾患)、外傷性損傷など
  • 【急性腎障害の原因】
    急性腎障害の診断は、血液検査を行います。血液検査にて、腎臓の値が高くなっていたり、電解質のバランスが崩れていたりしていることで診断します。また触診や腹部超音波検査、レントゲン検査(尿路造影)などを行いより詳細な検査を行います。さらに緊急性を要する場合は、無麻酔下にてCT検査を行い(麻酔下も同様)、原因究明に努めることもあります(腎臓や膀胱などに腫瘍が見つかることや尿石が腎臓や尿管のどの場所に詰まっているかも診断できます)。
  • 【急性腎障害の治療】
    急性腎障害は死亡する危険性が高い病気ですので、入院での治療が必要です。まずは静脈内点滴治療を行い脱水を補正し、その病態に合わせて様々な薬剤を使用していきます。いろんな治療をしても尿が出ない場合や中毒の場合など、内科的に急性腎障害がコントロールできない場合にはCT検査などを行い、原因を取り除くための手術になることもあります(尿管結石など尿閉が原因で急性腎障害になってしまった場合)。

    また急性腎障害は、緊急治療が必要な疾患です。1週間程度の入院は必要になりますが、治療により元気を取り戻してくれる子もいれば、残念ながら急性腎障害がコントロールできずに死亡するもの、また慢性腎臓病へ移行してしまうこともあります。また、尿閉以外にも腫瘍などの場合には大掛かりな手術を行わなければならないこともあります。
  • 【慢性腎臓病について(原因/検査・診断)】
    慢性腎臓病(慢性腎不全=CKD)とは、腎臓の組織が数週間~数年をかけて障害を受け、不可逆性の機能不全に陥る状態です。腎臓は体内で作られた尿素や窒素など多くの代謝性老廃物を排出しますが、腎臓の機能が低下すると十分な排出ができなくなり、それらが体内に蓄積した状態、すなわち高窒素血症になります。高窒素血症が続くと尿毒素と呼ばれる有害な物質が体内に蓄積し、様々な障害を引きおこします。原因の特定は難しいのですが、一般的には老齢動物であるほど発生頻度が高くなります。急性腎不全から慢性腎臓病に移行することもめずらしくありません。

    症状として、尿を濃縮する能力が低下するため多尿となり、その分、水をたくさん飲むようになります(多飲多尿)。初期の慢性腎臓病は無症状であることが殆どですが、腎不全の悪化と共に、元気の消失、食欲不振、体重の減少、被毛粗剛、嘔吐、下痢、便秘、口臭、口内炎などが認められます。貧血、高血圧、電解質異常を認めることも多く、末期になると痙攣や昏睡が見られることがあります。

    診断は、血液検査や尿検査などで行います。痩せた猫では、触診で小さくごつごつした腎臓を触診で見つけることができます。慢性腎臓病という言葉は、その病態を示しているだけで、その原因は様々です。腫瘍や結石などのために慢性腎臓病に陥っていることもありますので、腹部超音波検査やレントゲン検査などを行い鑑別診断します。猫や犬でも血圧を測定してその値を測ります。
  • 【慢性腎臓病の治療】
    慢性腎臓病の治療は、その病期ステージ・症状に合わせて、点滴治療、食事療法、血管拡張薬(CKDの進行阻止・腎組織保護効果)、吸着剤(尿から排出されるべき老廃物を吸着し便として排出)、血圧降下剤、造血剤(貧血に対して)といった治療を組み合わせて行います。慢性腎臓病による脱水が重度の場合は入院治療が必要であり、脱水補正の計算をしたうえで入院点滴治療が必要となります。

    残念ながら、CKDによって失われた腎機能は回復することができないため、残っている腎臓の組織を温存し進行を抑制すること、症状の緩和をとることが治療の目標になります。慢性腎臓病は、静かに進行していく病気で早期の段階ではまず気づいてあげられません。この病気は加齢とともに罹患率は増加しますので、特に7歳以上になってくると定期的な健康診断が欠かせません。食事療法やお薬の投与によって寿命が伸びることが知られていますので、早期発見早期治療が最も大切です。
  • ②糸球体腎炎について(原因/検査・診断/治療)
  • 腎臓の糸球体が炎症を起こす病気です。単独で起こる場合と他の病気に伴って起こる場合があります。原因の1つとして免疫が関係していると考えられており、免疫介在性疾患であるとも言われています。その免疫の異常を引き起こす関連疾患として、細菌性の尿路感染症、ウイルス性感染症(フィラリア症、犬アデノウイルスⅡ型感染症、猫伝染性腹膜炎、猫白血病ウイルス感染症など)、全身性エリテマトーデス、免疫介在性溶血性貧血、副腎皮質機能亢進症、膵炎、リンパ腫などが報告されています。また、遺伝性が疑われる犬種はとしては、ドーベルマンピンシャー、バーニーズマウンテンドック、ビーグル、ゴールデンレトリバーなどあげられます。

    この病気は、急性型と慢性型があり、それぞれ急性腎不全、慢性腎不全の症状を示します。他の病気を伴っている場合はその病気によって様々な症状を示します。蛋白尿が共通した症状であり、高血圧・それに伴う網膜剥離など目の異常が認められることがあります。ネフローゼ症候群(蛋白尿、低アルブミン血症、高コレステロール血症、浮腫や腹水など)を示す場合もあります。

    治療として、原因となる病気がある場合はその治療を行います。原因となる病気が見つからない場合、腎不全の治療を中心とし、免疫介在性疾患であるということから、ステロイド療法やシクロスポリンの投与などを行なうこともあります。
  • ③腎盂腎炎について(原因/検査・診断/治療)
  • 腎盂腎炎は、腎臓の腎盂や尿管などを含む上部尿路に感染が認められる疾患です。一般に、膀胱や尿道などの感染(下部尿路感染症)から、腎盂腎炎(上部尿路感染症)を合併します。症状として、急性型では発熱や食欲不振、嘔吐、腎臓の圧痛を認めます。慢性型では多飲多尿以外には無症状のことも多く、徐々に慢性腎不全に移行します。腎盂腎炎は尿路性敗血症といって、細菌が全身に回ってしまう合併症を生じ、非常に危険な状態に陥ることがあります。症状として、多飲多尿、発熱、腹部の痛み、排尿困難、血尿などがあります。

    診断は、血液検査や尿検査などで行います。尿の細菌培養(薬剤感受性試験など)を行うとその原因菌の診断に役立ちますが、その結果が出る前に尿検査で細菌や白血球が認められた時点で抗生物質を投与していきます。腎結石をともなっていることも珍しくありませんので、腹部超音波検査やレントゲン検査を行います。
  • ④尿石症について(原因/検査・診断)
  • 腎臓、尿管、膀胱、尿道のどの部位においても無機質の石状の塊が形成されることがあり、その場所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。腎結石および尿管結石は比較的稀であり、結石の多くは膀胱で形成され、尿道を通って下降します。 症状として、頻尿、血尿、再発性の膀胱炎、尿路閉塞などを示します。無症状のこともあります。診断として、腹部のレントゲン検査(単純、造影)、超音波検査によって結石の存在を確認します。結石の種類は尿の沈さを検査することでおおよそ判断することができます。


  • 【ストラバイト結石】
    尿pHは、中性~アルカリ性で、若齢から認められます。様々な犬や猫に見られますが、好発犬種として、ミニチュアシュナウザー、ビションフリーゼ、コッカースパニエル、ミニチュアプードルなどが知られています。犬では尿路感染を伴っていることが非常に多く、猫では無菌性のことが多い。
  • 【シュウ酸カルシウム結石 】
    尿pHは、酸性~中性で、中高齢から認められます。こちらも様々な犬や猫に見られますが、好発犬種として、ミニチュアシュナウザー、ミニチュアプードル、ヨークシャーテリア、シーズー、バーマン、ペルシャ、ヒマラヤンなどが知られています。
  • 治療法としては、大きな結石(痛みを伴うもの)や溶けないタイプの結石(シュウ酸カルシウム結石)の場合は外科的に取り除くことがありますが、尿石症の治療の主軸は結石の溶解や再発防止のための食事療法となります。尿路感染に対する抗生物質の投与、尿pHの安定化のためのサプリメントなどを併用することもあります。注意して頂きたいのは、せっかく療法食を食べていても療法食以外のフードやおやつを与えてしまうということです。療法食は様々な種類がありますが、尿結石の種類、年齢、体格、基礎疾患の有無で適切な療法食を判断する必要があります。
  • ⑤下部尿路感染症について(原因/検査・診断/治療)
  • この病気は、下部尿路(膀胱、尿道)への細菌などが感染する病気ですが、この病気は猫よりも犬に起こりやすい傾向があります。細菌は体の外から尿道に入り、膀胱に達します(細菌性膀胱炎)。さらに細菌の侵入が進むと尿管や腎臓にも達し、腎盂腎炎などを引き起こします。

    症状として、炎症を伴う場合、排尿時に痛みがあり陰部をなめ、何度もトイレに行くようになります(頻尿)。血尿を引き起こすことも多いです。診断は、尿検査において細菌、白血球、赤血球を顕微鏡で確認します。また、尿がアルカリ性傾くことが多いです。可能であれば、尿を培養して病原体の特定、抗生物資の感受性試験を実施します。

    治療は、抗生物質の投与を実施します。単純性の尿路感染は通常、適切な抗生物質の投与で治癒します。解剖学的な異常、排尿障害、腫瘍や結石で粘膜に傷がつく、糖尿病、クッシング症候群、免疫の低下など易感染性の疾患がある場合は尿路感染にかかりやすく難治性となることが多いと言われています。
  • 膀胱炎などの原因となる主な細菌群は大腸菌となります。左の写真は、大腸菌をグラム染色液で染色しています。大腸菌の特性上、このグラム染色液(青い色)に染まらず、赤い色のままであるということを確認することが細菌を確認するうえで、重要になります。

  • ⑥尿道閉塞(尿閉)について(原因/検査・診断/治療)
  • 尿道が何らかの原因により閉鎖し尿が排泄できなくなる状態をいいます。原因として、尿道結石によるものが多いですが、重度の膀胱炎や腫瘍から発症することもあります。通常、尿道が細く長い雄に多く発生します。

    症状として、犬では落ち着きがなくなり、猫では何度もトイレに入り、排尿姿勢繰り返します。部分的な閉塞だとポタポタと尿を垂らしますが、完全閉塞になると尿がまったく排出されないため膀胱が尿でパンパンに張れ(腹部を触わると硬く張った膀胱が触れます)痛みを伴います。さらに、尿が排出できないことで急性腎不全を合併し、嘔吐、嘔吐、昏睡といった尿毒症の症状を示し、命の危険性を伴います。

    治療は、緊急処置が必要です。ほとんどの場合急性腎不全を伴っているため、尿道にカテーテルを挿入して閉塞を解除し尿路を確保します。さらに、輸液を併せて行います。緊急性が高い場合には、膨張した膀胱を穿刺して注射器で尿を抜き取った後に尿路の確保を行う場合もあります。犬では尿道に詰まった結石を膀胱内に押し戻した時には、膀胱切開で結石を取り除きます。猫では会陰尿道瘻設置術(尿道を広げ、尿がよく出るようにする手術)が再発防止に効果的なことがあります。いずれにせよ、食事療法を行うなど、その原因となった病気の治療を継続的に行っていきます。猫では、再発を繰り返すことがよくあります。
  • ⑦膀胱腫瘍/尿道腫瘍について(原因/検査・診断/治療)
  • 犬の膀胱腫瘍は悪性腫瘍のうち約2%を占め、移行上皮癌が最も発生率が高いといわれています。一方、猫における膀胱腫瘍の報告は犬と比較して少ないです。高齢の動物に発生が多く、好発品種としてスコテイッシュテリア、ウエストハイランドホワイトテリア、シェットランドシープドック、ビーグル、ワイヤーヘアードテリアがあげられます。症状として、血尿、頻尿、排尿困難、不適切な排尿などが数週間~数カ月認められ、抗菌剤などの治療で一時的な症状の改善が認められることがあります。

    診断は、全身状態の評価および膀胱腫瘍の確認のため、一般身体検査、血液検査、尿検査、単純X線検査(胸・腹)、造影Ⅹ線検査、腹部超音波検査を実施します。さらに、腫瘍の解剖学的発生部位および他臓器への転移の有無の確認にはCT検査が有用になります。確定診断には腫瘤の生検による病理組織学的な検査が必要になりますが、無麻酔・非侵襲的に行える検査として、膀胱の移行上皮癌に特異的に出現する腫瘍蛋白を検出する検査や尿沈渣に出現する腫瘍細胞の細胞学的診断を併せて実施することで診断の補助になることがあります。

    診断は、全身状態の評価および膀胱腫瘍の確認のため、一般身体検査、血液検査、尿検査、単純X線検査(胸・腹)、造影Ⅹ線検査、腹部超音波検査を実施します。さらに、腫瘍の解剖学的発生部位および他臓器への転移の有無の確認にはCT検査が有用になります。確定診断には腫瘤の生検による病理組織学的な検査が必要になりますが、無麻酔・非侵襲的に行える検査として、膀胱の移行上皮癌に特異的に出現する腫瘍蛋白を検出する検査や尿沈渣に出現する腫瘍細胞の細胞学的診断を併せて実施することで診断の補助になることがあります。

    右の写真は膀胱内に設置したバルーンカテーテルの先端です。ここからカテーテルは腹壁を通過し、体外に続いています。排尿をさせたいタイミングでカテーテルから尿を排出させることができます。