名古屋の動物病院 整形外科

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整形外科

整形外科とは、どういった病気や症状の子たちを診療しているのか?

整形外科は、骨、関節、靭帯、腱、神経、筋肉など動物が快適な生活を送るのに必要な“運動器“を扱う分野です。部位的には、脊椎、脊髄、末梢神経、四肢の関節などを、疾患としては、先天性、外傷性、変性性、腫瘍性、感染性、代謝性疾患などを扱います。

骨や関節の病気は骨折だけではありません。もちろん不慮の事故による骨折も多くありますが、来院されるオーナー様の多くは、突然前肢や後肢が地面に着地できなくなり挙げている、着地はできても他の肢と比べ力が入っていない、体や腰がふらつくようになったなどと感じ、病院にいらっしゃいます。

整形外科は、捻挫・打撲・関節痛などを扱います。一方いわゆる外科は一般に手術をするときにイメージする分野です。では実際に、動物病院で多く見られる整形外科疾患は、どのようなものがあるのでしょうか。

膝蓋骨脱臼(Medial patellar Luxation:MPL)

膝蓋骨脱臼は膝にある膝蓋骨(膝のお皿)がずれてしまう病気です。もっとも一般的な膝関節の異常の一つとして認識されています。生まれつき(先天性)の場合や、外傷性に発症します。最もよく診療の場で遭遇するのは、小型犬種における先天性、または成長性のMPLであります。


【MPLの重症度分類と症状】

膝蓋骨脱臼を伴う骨格変形の程度は、軽度から重度まで様々であり、犬のMPLに対する分類法は確立されています。重症度を分類することは、診断および治療方針を決定する上で、非常に大切であり、また治療法も様々あることから、経験豊富な動物病院で診断治療を行うことをお勧めいたします。

従来からSingletonの分類(1969)あるいはそれを改変した分類が最も一般的に用いられています。

グレード1

  • 膝関節を完全に伸展位に保った時に、膝蓋骨を内方に脱臼することができる。
  • 轢音あるいは骨変形はない。
  • 臨床症状はないか非常に稀にしか出ない

グレード2

  • 痛みのない、スキップ様の跛行という臨床症状を伴い、自発的な脱臼をおこす。
  • 脛骨の内戦と飛節の外転からなる軽度の変形が発現する。
  • この状態は膝蓋骨と滑車の表面の軟骨の糜爛と関係したグレード3の脱臼に進行することがある。

グレード3

  • 膝蓋骨は恒久性脱臼であるが、用手にて整復可能である。より重度の骨変形が存在し、脛骨の著明な内旋と遠位大腿骨と近位脛骨がS字状に弯曲する。浅い滑車溝が触知される。間欠性の跛行というよりも異常なしゃがんだ歩様であると飼主は説明をする。というのは患犬は肢を半屈位で内旋させて使用するからである。この状態はしばしば両側性である。

グレード4

  • 膝蓋骨の恒久的、整復不能の脱臼である。脛骨が矢状面に対して60°から90°回旋。生涯の早い時期に矯正しなければ、骨と靱帯の重度の変形が発現し、しばしば修復不可能となる。小型犬における膝蓋骨外方脱臼は比較的少なく、先天的なことが多い。大型犬あるいは超大型犬における膝蓋骨外方脱臼はしばしば重度な肢の変形を伴う独特な症候群であり、予後は要注意。

【膝蓋骨内方脱臼と前十字靭帯断裂の併発 】

MPLをもったワンちゃんにおいて前十字靭帯の断裂の併発は、慢性膝蓋骨脱臼をもっている中年齢および 高年齢の犬の膝関節の15〜20%に存在すると報告されています(Piermattei.D.L.,Flo,G.L.,DeCamp C. E.(2006):The stifle joint.In: Handbook of Small Animal Orthopedics and Fracture Repair, 4th ed.,pp.562- 632,Saunders Elsevier,Missouri.)。

前十字靭帯の断裂を起こした場合も当院で治療が可能ですが、膝蓋骨内方脱臼のみの場合と比較すると侵襲性も高くなりますし、100%の運動能力の回復も望めなくなる場合もあります。

当院では、積極的な適切な判断の上での早期の外科的治療をお勧めいたします。

【治療法】

続発する変形の可能性あるいは現状の病的程度により様々な様相があるため、それぞれの犬に適した治療法を行う必要があります。

一般的には、グレード1および早期2 MLPは、膝関節内の痛みおよび軽度の腫脹に対してのみ医療処置を必要とする可能性があります。ミドルステージのグレード2、グレード3およびグレード4は、手術で最もよく矯正されます。3つの一般的な外科処置は以下のように記載します。


【滑車形成術(Trochleoplasty)】

滑車溝を深くして膝蓋骨が外れにくくする術式で、いろいろな方法がある。膝蓋骨は少なくても半分は溝に入らなければならないが、それ以上は膝蓋靭帯があるので、いくら溝を深くしても無駄である。あくまでもこれは膝蓋骨が滑車溝の上にないと機能しないことを自覚する。膝蓋骨が外れていればいくら溝を深くしても機能しない。この手術には主に以下の4つの手術がある。どこで脱臼するかも重要である。

滑車溝形成術
(Trochlear sulcoplasty)
これには滑車溝を単に削るのみの方法で簡単であるが、関節軟骨が消失して、骨髄(海綿骨)のみになるので、膝蓋骨が磨耗(関節軟骨がないから)されることがある。しかし最後には多くは繊維軟骨化されると思われ、小型犬でのみ許容できる。
滑車軟骨形成術
(Trochlea chondropasty)
これは最高でも10ヶ月までの子犬、通常は4~6ヶ月に適応するが実地はまれと言われる。軟骨プラップ法である。10ヶ月までなら、軟骨を剥がせ、その下を削りまたかぶせることができる
くさび型陥没形成術
(Trochlear wedge recession)
小型成犬に多く使用されるテクニックで、滑車溝を三角形に切り取 る術式で滑車溝を深くする方法である。そして三角の軟骨を下の部 分を削って戻す。
ブロック型陥没形成術
(Trochlear block recession)
特に中型犬以上によく使用されるテクニックで、滑車溝を四角に切り取り、骨髄を削り取る術式で滑車溝を深くする方法ある。

【脛骨粗面転位術(TTT:Tibial tuberosity transposition)】

脛骨の粗面を移動する、脛骨粗面転位術。脛骨粗面を外側(大腿骨と脛骨の整列を調べなから)に転位して固定する。この手術の目的は大腿四頭筋群の整列を正しくするための手術である。

【関節包の解離(支帯解放術:Retinacular desmotomy)】

内方脱臼の場合は、内側の関節包を切って解除するが、それでも不足の場合は、縫工筋をも切って解除するが、それでも不十分な場合は、内側広筋をも切開して解除する。

【内方脱臼の関節包の外側筋膜の縫縮術(Retinacular imbrication)】

大腿二頭筋を2-8mm切除して、長時間作用型の吸収糸にて筋膜を並置縫合する。

外側ファベラ-膝蓋靱帯の縫合(膝蓋骨の外側への牽引)
Stader 法(大腿筋膜)
Rudy 法(非吸収性縫合糸)

内側広筋の解離
など、通常様々な手術法を組み合わせて行います。